アトリエ・カピーズのフクザワです。
最近、男性出演者さんのメイクをさせていただく機会がありました。私が行かない現場でも出演者さんがメイクをできるように、簡単にこちらにレクチャー投稿をしておきます。ステージに立たない方でも、自分で初めてのメンズメイクをしたいかたには参考いただける内容です。
1.メイクの手順
「肌の保湿→下地→ファンデーションぬり→顔全体のアクセント→パーツメイクのアクセント→全体のバランスをみて仕上げ」の順でやるといいと思います。
※「顔全体のアクセント」と「パーツメイクのアクセント」の順序は前後してもOKです。
2.各工程において必要なもの
(1)「肌の保湿」
いつもお使いの、化粧水・保湿ローション・日焼け止めクリーム等があればそれでOKです。ファンデーションがきちんと肌にきれいに載るようにするため肌を潤す工程です。
順番は、「化粧水」のあとに、「保湿ローションもしくは日焼け止めクリーム」です。
化粧水で肌を潤したあとに、その潤いが乾燥で逃げていかないように、「保湿ローションもしくは日焼け止めクリーム」でフタをするイメージです。
もし、お手持ちのものがなければ、ドラッグストアで好みのもの(肌がアレルギー等がなければなんでもよいです)を購入してください。
たとえば、化粧水は1000円くらいでこんなのとかあります↓
同じシリーズの保湿ローションもありますね↓
一応載せましたが、本当に、アレルギー等がなければ、なんでもいいです。ただし、化粧水・乳液or日焼け止め、どちらか1本ではなく、2本構成にしていただきたいところです(理由は潤いが乾燥で飛んでしまうためです、乾燥は化粧ノリを悪くする原因になります)。
といっているそばから矛盾しておりますが、私は化粧水・乳液の代わりに、市販の医薬品をつかっています。これ1本で化粧水・乳液にしています(むかし皮膚科の治療で使っていた処方箋薬(ビーソフテンローション)が肌にあっており、それと成分や形状が似ているため、皮膚科の治療がおわってからは、街の薬局でこれを買って使っています)。匂いもないので、使いやすいですね。
塗るときはコットンを使用したり、フェイスパックに垂らして顔にはって時間を置くのが理想ですが、まあ時間はないですよね。どれも手のひらにとって顔全体に伸ばしてOKです(ただし、摩擦で肌にダメージを与えないように、優しく塗ってください)。
ノーメイクでも、この(1)の過程は、毎日欠かさずやっていただきたいことです(日差しの下に出る場合は、これに加えて日焼け止めクリームも)。
(2)「下地」
「化粧下地」と表記があるクリーム・乳液を顔に塗ります。次の工程のファンデーションをきれいに定着させるため&もとの肌色を均一にきれいに整えるための工程です。
絵を書くとき、絵の具を塗る前に、まずキャンバスを真っ白に塗る工程と同じです(下地を白く塗ると、絵の具の定着や発色がよくなりますね)。
化粧下地は、白色(透明)のもの、色付き(ベージュ、緑、紫など)のものがありますが、自分の肌色に合わせて選ぶとよいです。これも本当になんでもいいです。種類も、サラサラとしたものから、粘度の高いものまでいろいろあります。
個人的におすすめで、私も普段使用しているのは、「紫色」の化粧下地です。私は普段、CHANELやANNA SUIのものを使用していますが、ドラッグストアで買えそうな似たようなものでは、以下のようなものがあります。
紫色だと、肌の色が自然に明るく均一にトーンアップします。ベージュは一番使いやすそうに見えて、一番使いにくいと感じます。自分の肌に合わないと「いかにも塗ってる」感じの厚化粧に見えますし(舞台やスチール撮影ならありです)、化粧経験が浅い人には実は扱いにくいです。
自分の肌にあったベージュの色味を探すには、時間を使って化粧品カウンターの方に相談する必要があるので、時間がない男性にはハードルが高い気がします。
白色(透明)だと自分の肌色がほぼそのまま出て、ファンデーションを塗る前の状態はノーメイクに近い色です(自分の肌の色が均一で綺麗でもちもちな人はその質感を活かすため、白色(透明)がいいでしょう)。
これも手のひらに出して、顔全体に、顔の真ん中から外側に向けて塗っていきます。
(3)「ファンデーション塗り」
ここで肌の最終的な色をつけます。みなさんがよくご存知の「ファンデーション」がここでやっと出てきます。
白は200色ある?とか聞きましたが、ファンデーションの色も、もちろんそのぐらいあるはずです。各ブランドにつき、10色くらいはでています。こればかりは、化粧品カウンターの方に相談して、実際に試して決めなければいけないものなのですが、女性でもその過程はをすっとばして自分で選んでいる方は多い気がします(結果、自分の肌に合わない色を選んでいるのでは)。
どうしても時間がなくて自分で選ぶ方は、首の色に合わせて選ぶ方法、手の甲にサンプルを出して選ぶ方法があります。首の色に合わせると、塗った境目がわかりにくくて自然になります。手の甲にサンプルの色をだして、鏡で顔と並べて選ぶ方法もありますが、これはどうしても時間がないときの緊急策です(男性でもカウンターで色をちゃんと相談してほしいです)。
色だけでなく、形状も色々あるのがファンデーションです。液状(リキッド)、パウダー(固形)、その他にも色々あります。
とりあえず、何かためしに一つ買ってみたい場合は、コンビニで買物のついでにひとつ買ってみる、恋人や配偶者や友だちがいる場合は「ファンデーションのサンプルなにか一個あまってたらちょうだい」って言ってみることをおすすめします(普段化粧品を買っているかたなら、なにかしらもらっているはずです)。
コンビニ化粧品の場合は、たとえば、セブンイレブンで売っている「パラドゥ」はお値段的にも優しいです。パウダリーファンデーションで1300円くらい(普通ファンデーションは3000円以上はします)で、色も2色のみなので、迷いにくいです。
https://www.parado.jp/lineup/base/powderyfande.html
あと理由は割愛しますが、百均のファンデーションはおすすめしません(メイク経験が浅いと合うものにたどり着くのが難しいです)。
塗り方ですが、どのような形状の場合も、スポンジに適量とり、優しく、ふわっと、顔の真ん中から外側に伸ばしていくように塗るといいです(肌をこするように塗るのはNG)。目の周り、鼻の周り、フェイスラインは、塗り残しが多い場所なので、スポンジのかどで、最後に丁寧に塗り進めていきます。
ファンデーションのあとは「フェイスパウダー」を少量パフにとり、顔全体にポンポンとはたき、ティッシュでおさえると、肌全体に化粧が自然に密着します(化粧ノリがいいと、これが素肌と見間違えるほどです)。
フェイスパウダーは、最後にはたくことで、ファンデーションのヨレや化粧崩れを防ぐのに役立ちます。あれこれ塗ってきた状態の油っぽさがきえて、さらっとした肌になります。ベビーパウダーと似た形状をしているものです。
フェイスパウダーもいろいろ種類がありますが、男性の場合は、「色はベージュ系、パールなし」がマットな質感になるのでおすすめです(パール入りだと肌全体が華やかにキラキラと光ります、私(女性)は化粧下地と同じく紫色の、パール入りのものを使用していますが、メンズメイクだとあまり一般的でない仕上がりになってしまうと思います)。
男性が使いやすそうなのは、たとえばこれとかですかね(ナチュラルなベージュ、パールなしマット)。
私もフェイスパウダーはずっとこの「チャコット」のものを使用しています(バレエ・舞台メイク用のブランドですが、普段使いにももちろんいけます)。
ただし、チャコットのフェイスパウダーはパフ(↓)が別売りなので注意です。
もしかしたら、粉で顔が真っ白になってビビるかもしれませんが、ずっとポンポンたたいていると肌に馴染んできますので、仮につけすぎた場合でも、ビビらず、のばすようにポンポンたたきつづけてください(最初はちょこっとだけつけながら少しずつやってみてください)。
(4)「顔全体のアクセント」
肌色が完成しましたが、まだ立体感や血色がない状態です。ここに影や血色を入れていく工程です。ただし、メンズメイクで、ステージ出演者のかたは血色(チーク)を入れない場合が多いので、飛ばします。
鼻筋やエラのあたりに影をいれてに立体感をいれていきましょう。シェーディングパウダーを使っていきます(ラメやパールの入っているものだとキラキラ光ってしまうので、マットな物を選びましょう)。たとえば私も使用しているこれとか。
鼻筋を高くきわだだせるためには、ブラシか、両手の中指をつかって、両目の目頭の近くから、下にシュッと2本影のラインを作るとよいです。加えて、エラのあたりに塗ると小顔効果が出ます。
また、より鼻筋をとおすために、眉間から鼻の頭にかけて、一本、ハイライトのラインを白で描くとより良いです(ここだけは個人的に「パール入り」の白がおすすめです、特にステージ演者さんは見栄えが劇的に変化します)。
私の使用しているものではありませんが、似たものとしてたとえばこれとか(↓)。スティックタイプで塗りやすいです。
(5)「パーツメイクのアクセント」
目の周りや唇に色をおいていく工程です。化粧といえば、この工程を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。顔が一番華やかに変化する過程です。
最初はアイシャドウパレット1つ、アイライナー1本、口紅が1本あるとよいでしょう。慣れてこだわりがみつかったら、手持ちにない色で買い足したり、眉毛ペンシルを導入したりしてみましょう。
男性の場合はやはり、パールやラメの全く入っていない、マットな色味がおすすめです。アイシャドウパレットだと例えばこれですね。
このアイシャドウ、イメージキャラクターに男性タレントも起用していて、メンズメイクの一例を見られるのもいいですね。
よくある4色パレットです、だいたいパッケージの裏側に使用方法が書いてありますが、4色を決まった場所に順番においていき、グラデーションを作っていくときれいです。
アイライナーは黒か、茶色がおすすめです(初心者は茶色がよいです、黒だとおそらく最初は発色がよすぎてビビります)。※先日、百均のアイライナー試してみましたが、とてもノリが悪かったので、今後はやめようと思いました。
形状は、ペンシルタイプ、液状(リキッド)タイプ、ジェルタイプなどありますが、描きやすいのはペンシルタイプです。初心者には少し描くのが難しいけれども、落ちにくいのは圧倒的に液状タイプ(ただし、ウォータープルーフに限る)です。ウォータープルーフとは、水で落ちないタイプのものです(ペンシルにもあります)。
私がずっと愛用しているのはこれです(リキッド、ウォータープルーフ、ブラウンブラック)(↓)。
自分の二重幅に合わせて、片手でまぶたをきれいにのばし、もう片方の手で、まつげの隙間を埋めるように少しずつ描いていきます。ラインの幅を太くしたい場合は少しずつ太くしていきます。目尻を長く描くと切れ長の目になります。強く見せたい場合は下まぶたにもアイラインをいれるとビジュアル系っぽい目ヂカラメイクになります。
ただし初めての場合は本当に綺麗に描くのが難しいので、最初は油性ペンでもいい気がしてきました……。
リップカラーはお好みのもの、なんでもいいですが、初めての場合は色付きのリップクリームから始めるのもいいです(口紅よりも発色は弱めです、リップクリームなのでマット感はないですが)。
(6)「全体のバランスをみて仕上げ」
最後に、顔全体を(できれば姿見などの大きな鏡で)みて、もう少し色を入れたいところ、ぼかしたいところを仕上げていきます。綿棒があると作業しやすいです。
(7)「その他」
その他に必要なものとして、手鏡(手持ち・机置き、両方できるもの)、前髪をとめるクリップ、手をふくウェットティッシュ、アイメイクをより細かく作業するためのメイクチップ、メイクブラシ、スポンジ、ティッシュ、綿棒、出演者の方の場合は終演後のメイク落とし(シートタイプのものもあります、ウォータープルーフの化粧品も落とせるもの)があるとよりよいです。
ニキビを隠したいかたは、「コンシーラー」もあるとよいです。
眉毛も事前に研究していい感じの形に整えておくとよいですね。
また、ひげ以外の顔そりは前日には済ませてください。当日のひげ剃りはカミソリは使用せず、電動シェーバーを使用ししてください(当日に刃物で顔をそってしまうと、化粧がピリピリとしみたり、最悪、化粧で肌がかぶれたりしますので、メイク不可です)。
ちなみに、女性向けメイク、女装メイク、あるいはヘアセットをする場合には、さらに必要なものが3倍くらいに増えます。
メンズメイクをこれから自分ではじめたいかたや、男性出演者さんのご参考になれば幸いです。
当アトリエは、ヘアメイクも承っております。
本日の投稿は、フクザワでした。
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